13DOGS

死刑囚13人を集めて殺し合いをさせ、生還者には自由を与えるという前提の「ゲーム」が行わているというデス・ゲーム作品です。主人公は恋人を殺された上に罪を着せられた冤罪者であり、大量殺人犯が無数に存在する会場の中では異彩を放っています。「バトルロワイヤル」的な設定ですが、本作ではゲームの「参加者」に、それなりの「理由」があると主張されているのに加え、ゲームを見ながら賭けをする富豪たちといった背景がよりしっかり描かれているという特徴があります。

一般的な共感をするのが難しいキャラが多いものの、さすがに「ゲーム」になるような死刑囚たちを集めただけあって、登場人物たちのヤバさとキャラの立ち具合は折り紙つきです。区画の「住人」は終身刑の受刑者によって務めることになっていたり、超エキスパートをも一瞬で屠れるような戦闘力がバックにあったりと、荒唐無稽な設定に反して、かなり精密に設定は組み込まれていて、各登場人物に動くだけの「理由」があるのは個人的に高評価でした。また、ド迫力のバトルやアクションシーンなど、作品に必要な要素はすべて描かれている感じで、ラストまでの切れ味の良さと逆転の醍醐味もなかなかの爽快感で、本作を原作とした映画があってもなかなか面白そうな感じがしました。

単純な殺し合いではなく、他にいくつか条件が加えられていれば、さらに悲喜こもごもの展開があったかも知れませんが、勝者に栄光が与えられるタイプのゲームではないので、このゲームの辛さも納得と言えば納得です。

しかし、これだけ物凄い死刑囚が次々出ているとなれば、作中の日本はかなりとんでもないことになっているはずで、だとすれば政治がやるべきは独裁ではなく根本的な社会の改善といったことになるかも知れませんね。