遺品の古本を売る

本好きだった父の遺品はほとんどが古本です。ものすごい数で、古本屋を開けるのではないかと思うほどです。
一年経った今、やっと整理しはじめました。
整理していると五十嵐貴久の『リターン』が出てきました。この小説は「リカ」という小説の続編でリカという女ストーカの物語です。『リカ』は読んだことがありますのでこれも読んでみました。
これはそのリカが失踪した十年後のストーリーなんですが、やはり、前作同様リカの狂気に溢れた作品となりました。
リカの言動の一つ一つが私をものすごくドキドキさせてくれました。リカはやはり前作と同様で理解不能な動きで私も最後までリカがどう動くのか全く予想がつきませんでした。
結末の予想がつかない、このリターンは最後まで飽きることなく読めて一日で丸一冊読んでしまいました。

また、今回の主人公は刑事ということですが、普段は全く刑事モノの小説を読まない私でも十分楽しめました。
刑事モノの小説にはよくわからない専門用語などが多く出てくる印象ですが、そんな印象も今回で払拭されたような気がします。

リターンではリカ以外にも一人一人しっかりとキャラクターに個性があったと思います。
特に主人公の梅本尚美はとても真面目でクールな印象がありながらも、リカの言動を理解できるだけあって、その中に実際リカと同じような狂気が存在していて、終盤の尚美の行動には言葉に表せないような複雑な気持ちを抱きました。
また、尚美の親友の青木孝子の動きも非常に良かったと思います。孝子の中盤の感情の揺れ具合なんて最高でした。

全体を通してとてもいい小説でした。人間の心情の動きだけでなくホラー小説に必要なグロテスクな描写もしっかりと脳内でイメージすることができ、鳥肌が立ちました。
怖く面白くいい感じで読み終える事が出来ました。
父も楽しんだんだろうなとも思いました。
他にもまだまだたくさん古本があって、このままだと他の本も読んでしまいそうなので、古本買取で売ろうと思います。
 http://古本高価買取.net/