時の余白に

文章を上手く書くための秘訣は、名文に接することが第一歩だと思います。

では、お手本となるような名文に出会うためには、どうしたらいいのか。

わからない方は、新聞に掲載されているエッセイやコラムを、まず読んでみることをお勧めします。

例えば、みすず書房から刊行された時の余白に、はいかかでしょうか。

タイトルの時の余白にとは、読売新聞に長年掲載されたコラムの題名です。

2006年から2011年までに掲載されたものを集めて本にしたものです。

ところで、小説は最初から読み進めていかないと、ストーリーの展開がわからなくなります。

それとは対照的に、エッセイやコラムは、目次をみて面白そうなところから読むことができるのが長所です。

時の余白にも、自分が気になった年の面白そうなタイトルが付いた箇所から読んでも全く問題ありません。

著者である芥川喜好さんの熟練した文章を味わうことができます。

芥川さんが遭遇した事件やその時々の気になる話題を手掛かりに、とても哲学的な深い内容が静かに語られています。

といっても、意味が曖昧な抽象的な単語は使われていません。

また、文章構造も簡潔明瞭ですっきり理解できます。

まさに、名文だと思います。

語られている内容の面白さとともに、文章を書く上でのお手本も学べる。

とてもお得な本です。